人生において何よりも難しいことは、嘘をつかずに生きることだ。そして自分自身の嘘を信じないことだ。
By.フョードル・ドストエフスキー
嘘は良くないとは思っていても
嘘をつかずに生きることはできないものよね
嘘はついた嘘を隠すために嘘を重ねて、結局は自分自身を追い詰めてしまうこともあります。
嘘にまつわる映画たちは、嘘の本質や人間の葛藤を描き出しながら、観る者を引き込み、物語に没頭させます^^
嘘という言葉には、悪いイメージが付きまといますが、
映画の中では時に人を救い、時に嘘に騙されて心が揺さぶられることも!
今回はそんな ”嘘” をテーマに、
その行動がバレるのかバレないのか。そんな緊張感があふれる作品を厳選して9本ご紹介します!
ライフ・イズ・ビューティフル 👈【イチオシ】
苦難をユーモアで描く戦争映画。
大きな愛とやさしい嘘で子を守る父の姿に涙!
ジャンル:ドラマ、コメディ、戦争
監督・主演:ロベルト・ベニーニ
製作:1997年
製作国:イタリア
おすすめ度⇨
残酷な状況下でも、ユーモアと愛に溢れた主人公の強さに涙します
第二次世界大戦下、北イタリアに駐留してきたナチス・ドイツによって、
ユダヤ系イタリア人の主人公は妻と幼い息子共に突然強制収容所へ収監されてしまいます。
収容所での劣悪な環境下で息子を守るために奮闘する父親のお話なのですが、
この映画はなんとコメディ映画でもあるんです!
辛い収容生活で息子が傷つかないように、
ユーモアに溢れた優しい嘘をつき続ける父の姿に大きな愛を感じます。
笑っていいのか泣いていいのかわからなくなる映画です。
一度見たら絶対に忘れられない映画になると思うので、必見です!!
グッバイ、レーニン!
生活用品、政治、文化、あらゆるものを偽装!?
愛する家族を守るための全力の嘘。ノスタルジックでコメディタッチなドイツ映画
ジャンル:ドラマ
製作:2003年
製作国:ドイツ
おすすめ度⇨
ノスタルジックな嘘つきハートフルドラマ
80年代末の東ドイツが舞台です。
心臓発作で昏睡状態だった母が、ベルリンの壁崩壊後に意識を取り戻します。
せっかく意識を取り戻した母が、東西ドイツが統一していると知ったら、ショックで病気が悪化すると思った息子(主人公)は、必死に東ドイツの社会主義が続いていると偽造します。
身の回りの日用品、テレビ番組などの情報、あらゆるものを偽造します!
政治・宗教と当時の生活や文化を垣間見れるので、楽しめます。
重いテーマをあえてコメディタッチで描くアイディアが面白いし、ノスタルジックさが好きです。
家族思いの主人公たちの一生懸命さが良いです。
5パーセントの奇跡
夢を諦められない主人公は、大きな隠し事を持って人生を賭けた就職活動をします!!
実話を元にした嘘みたいなストーリー!
ジャンル:ヒューマン、サクセス
製作国:ドイツ
制作:2017年
おすすめ度⇨
視覚障害(視力が5%)を持つ主人公が、健常者のふりをして一流ホテルに就職する!?
ホテル業界で働くことが夢である主人公のサリーは
在学中に急に病気により95%の視覚を失ってしまいます。
就職活動をしますが、社会は厳しく希望の条件で雇用先を見つけることができず苦心します。
そんな中、「5つ星ホテルで働きたい!」という夢を諦められない彼が選んだ選択は
目がほとんど見えないということを隠して、就職活動をするということ。
そんなバカな…😅いくらなんでも無理じゃね?
って思いますが、これ、実話が元になってます😱
サリーは持ち前の誠実さ、頭の回転の良さを活かし、
高級ホテルに正式採用されるために必死に入社研修課題をこなしていきます。
障害を抱えながらも夢の職業のためにひたむきに努力する姿が魅力的です!
主人公がスリランカ系のドイツ人という点もこの作品の面白いポイントです。
ドイツが抱える就活事情や移民問題などの社会的背景も見られるので、社会勉強にもなります。
爽やかなサクセスストーリーです。
主人公が最後に選択する生き方に注目です!
ディア・エヴァン・ハンセン
勢いでついた嘘がとんでもない方向に!?
孤独感、自分の殻を破ることができない思春期の葛藤が描かれた
ブロードウェイ・ミュージカルの映画化作品!
ジャンル:ドラマ、ミュージカル
出演:ベン・プラット、エイミー・アダムス、ジュリアン・ムーア、ケイトリン・デヴァー
監督:スティーヴン・チョボスキー(作品「ワンダー 君は太陽」「ウォールフラワー」など)
制作:2021年
おすすめ度⇨
劇中の音楽と歌唱がとにかく素晴らしい正統派ミュージカル映画
本作の内容は孤独や死についての重いテーマなのですが、
ミュージカルになることで、主人公たちの想いや感情に入りやすいですし、テンポよく見やすいです。
主人公の嘘のつき方や、調子乗りっぷりが、思春期男子らしいですし、
「孤独」「身近な人への嫌悪感」「家族の温かさ」「不安・葛藤」それらが、とてもリアルに感じました。
「学校」という場所で感じる孤独、
思春期なりの葛藤を抱える主人公を見ていると
思わず自分の高校時代を思い出してしまいました!
ブロードウェイ・ミュージカルの映画化というだけあって、
劇中の挿入歌「You Will Be Found」「Waving Through a Window」が本当に素晴らしいですし、
実際にブロードウェイでの主人公も演じたベン・プラットの歌がとにかくエモーショナルで素晴らしく、全神経を集中して聴いてしまいました!
本作の映画感想やその他のおすすめミュージカル映画について下記の記事で紹介しています。
ぜひチェックしてください^^
トゥルーマン・ショー
自分の人生が全て嘘の世界だったら?
奇妙で独特な世界観を持つアンドリュー・ニコルのシュールなファンタジー映画
ジャンル:ドラマ、SF、ファンタジー
製作:1998年
出演:ジム・キャリー、ローラ・リニー、エド・ハリス
監督:ピーター・ウィアー(作品「いまを生きる」「刑事ジョン・ブック/目撃者」など)
脚本:アンドリュー・ニコル(作品「ガタカ」「TIME/タイム」など)
おすすめ度:
もし自分が住んでいる世界が全て偽物だったら? 真実はどこに・・・?
離島で保険会社に勤めるトゥルーマン(ジム・キャリー)は、
彼は生まれてから1度も島から出たことがありませんでした。
それは子供の頃のトラウマから水恐怖症になったことが原因です。
ある日、空からライトが降ってきます。それには「シリウス(おおいぬ座)」と書かれていました。
そのほかにも、たびたび奇妙な出来事がトゥルーマンに起きます。
実はトゥルーマンは生まれた時から撮影のセットの中で暮らしていて、
周囲の人物は全て俳優(知らないのは本人だけ)。
24時間隠しカメラで撮影され
全世界で「トゥルーマン・ショー」という番組で放送されていたのです。
こちらの作品は、コメディ映画の帝王であるジム・キャリー主演ですが、
コメディ映画と思って見ないように要注意です!
本作はシュールなファンタジー映画作品であり、
なかなか抜け出せない悪夢を見ているような異様な世界観を持っている本作は全く笑えません・・・。
ラストは観客に想像させる余地を残し余韻を残させる終わり方で
強烈に記憶に残ります。
ガタカ
宇宙に行きたい。
・・・・・・たとえどんな手段を使っても。
ジャンル:SF、スリラー
主演:イーサン・ホーク、ジュード・ロウ
監督:アンドリュー・ニコル(作品「トゥルーマン・ショー」「TIME/タイム」など)
公開:1998年
おすすめ度⇨
作品紹介
この映画では、理不尽な階級社会に立ち向かい、
夢のために突き進む主人公ヴィンセントの半生が描かれます。
DNA操作で生まれた、優れた知能・体力・外見を持った“適正者”がヒエラルキーの上位になり、
自然出産で生まれた者や体の弱い人間は”不適正者”として社会の最下層の身分にされてしまう世界。
この世界では遺伝子の優劣で身分が決められ、遺伝子がそのまま身分証として扱われます。
自然出産で生まれ、
かつ生まれつき虚弱体質だった主人公は、教育、就ける職業などあらゆる面で不遇を受けますが、
宇宙飛行士になるという夢を捨てきれず、努力を重ねてゆきます。
そして、手段を選ばなくなった主人公は違法とされている
遺伝子偽造(身分偽造)によって就職に漕ぎ着け、夢を実現させようとします。
「夢のためになぜそこまで?」と何度も思ってしまいますが、
主人公の強い思いに惹かれ、応援したくなってしまいます。
いつ、偽造がバレるのか、ヒヤヒヤしながら観ました。
かなりスリル満点です!
目的の達成のためのキーパーソンとなる、
ジェローム役はジュード・ロウが演じます。
先天的に優れた遺伝子を持つ”適性者”でありながら、事故によって障害者となり、
自暴自棄な人生を送るジェローム。
主人公とジェロームの対照的な2人の人物の奇妙な協力関係と絆がまた印象的でした。
脚本も設定も面白く、緊迫感やスリルも味わえる完成度の高い作品です!
切なくも感動的なラストをぜひ見ていただきたいです。
原題 “Gattaca” は
GとAとTとCを使っていて、DNAの基本塩基を表しているそうよ
サーチ
行方不明の愛娘を捜索する中で、彼女の裏の顔を知っていく父親。
何が嘘で、何が本当なのか? 愛する娘にもう一度会えるのか!?
二転三転四転・・・する怒涛の展開に何度も驚かされます・・・!!
ジャンル:サスペンス、ドラマ
出演:ジョン・チョー、デブラ・メッシング
監督:アニーシュ・チャガンティ
制作:2018年
おすすめ度⇨
愛する人の秘密を知っていく怖さ。
SNSとリアルの世界をつなぐ電子機器から人間の本当の姿をのぞきます!
中国系アメリカ人の父娘の2人家族が主人公のクライムサスペンス。
優秀で素直な高校生の娘が急に行方不明になり、娘が残したPCを元に捜索をする父親のお話です。
父デイビッドは娘のマーゴットの事を、友人が多く、明るい性格だと思っていました。
しかし、行方不明になった娘の捜索をする中で、学校では友人がいないこと、
習っているはずのピアノはずっと休んで、月謝は自分で使い込んでいた事など、思いもしなかった真実を知っていきます。
素直な性格だと思っていた娘が自分に多くの嘘をついていた事を知っていく父。
しかし、困惑しながらも受け止め、必死に娘を探す父デイビッドの姿に感動しました。
伏線の貼り方が秀逸で、二転三転するストーリー展開に何度も驚かされます!
父の画面に映すテクノロジーを駆使して娘を捜索する方法も秀逸で、「見たい」と思わせる工夫がされています。
SNSによって特定の人とつながりやすくなった現代。
しかし、現実では人との繋がりの希薄化や他人への無関心さなどが問題視されているように思います。
そんな社会の様子を風刺しつつ、家族のつながりの尊さが描かれている本作は大変見ごたえのある作品です!
オーシャンズ11
偽装工作、騙し合い! そして騙される快感!
最強の犯罪ドリームチームが繰り広げるクールでゴージャスで鮮やかなミッション。
ラストは驚きと爽やかさがある人気シリーズ映画。
ジャンル:アクション、クライムサスペンス
出演:ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、ジュリア・ロバーツ、マット・デイモン、アンディ・ガルシア
監督:スティーヴン・ソダーバーグ(作品「エリン・ブロコビッチ」オーシャンズ12〜シリーズなど)
制作:2001年
おすすめ度⇨
史上最も豪華で魅力的な犯罪グループ!
ゴージャスでエキサイティングな犯罪冒険ストーリー!
仮釈放中のオーシャン(ジョージ・クルーニー)を中心に11人の犯罪者たちがチームを組んで、世界最大のカジノから大金を盗むために右往左往するお話です。
ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、ジュリア・ロバーツ、マット・デイモンらハリウッドを代表する豪華な出演者が美しいロケーションや、素晴らしい音楽、見事なアクションシーンを繰り広げる豪華すぎる映画なので、かなり見応えがあります!
仲間たちとの絆や、複雑な計画と危険な状況からの脱出劇なども面白く、トラブルが発生しながらも、テンポよくストーリーが進みます。
キャラクター一人一人が特殊技能をいかし、緊迫感溢れるサスペンスと華麗なアクションシーンが繰り広げられるので目が離せません。
クリエイティビティあふれるトリックも必見ですし、ラストにしっかりサプライズを残してくれていて、満足できること間違いなしの作品です^^
ディパーテッド
先が読めない緻密なストーリー展開!
麻薬組織から警察組織に入り込む男と麻薬組織に囮捜査で潜入する警察官の男。
対照的な二人の偽りの生活と情報収集し合う姿は手に汗握る!!
ジャンル:サスペンス、アクション、クライム
出演:レオナルド・ディカプリオ、マット・デイモン、ジャック・ニコルソン、マーク・ウォールバーグ、マーティン・シーン、レイ・ウィンストン、ベラ・ファーミガ
監督:マーティン・スコセッシ(作品「ウルフ・オブ・ウォールストリート」「タクシードライバー」など)
制作:2006年
おすすめ度⇨
麻薬組織のスパイと警察のスパイ。
過酷な世界で偽装した生活を送る二人の男の対照的な人生が交錯します。
麻薬組織のボス、コステロ(ジャック・ニコルソン)に見出され、育てられたコリン(マット・デイモン)は警察学校に入り、警察官となります。
そして、警察内部情報をギャングのボスに横流しします。
一方、親戚に犯罪者が多かったことと、頭脳明晰だったが故に、囮捜査を命じられた新人警察官のビリー(レオナルド・ディカプリオ)はコステロ一味の内部へスパイとして潜入します。
本作は、複雑に絡み合い、ジリジリと状況が変化していく緊張感のある展開や、キャスト陣の演技力を非常に楽しめる作品です。
特にビリーとコリンという二人の青年の対照的な生活が非常に面白いです。
正義感の強いビリーは残忍なギャング組織での生活、バレたら殺されてしまうというプレッシャーに精神を蝕まれていきます。
一方、コリンは新人ながら警察官として人望得ていき、とんとん拍子に出世。
高学歴で美人女医の彼女との交際も順調に進みます。
そして、完全に合理主義なコリンは、私利私欲のために行動していくようになります。
エリート思考でサイコパスな人物像は俳優マット・デイモンのイメージとはかけ離れた役柄なので新鮮でした!
もし、ディカプリオとマット・デイモンのキャスティングが逆だったら
また違った雰囲気の作品になりそうだと感じワクワクしてしまいます!
また、麻薬組織のボスを演じたジャック・ニコルソンの貫禄のある演技も魅力的でした。
それぞれのキャラクターの行動が複雑に絡み合い、最後まで先が読めない展開を楽しめますし、
美しい演出と考察のしがいがあるラストも最高でした!!
さいごに。
いかがだったでしょうか?
嘘をテーマにした映画は、人間の複雑な心理描写や、予想外の展開があって、本当に魅力的ですよね。今回ご紹介した9作品は、それぞれに優れたストーリーと演技で、一度見たら忘れられない作品ばかりです。
このブログを読んで、「この映画見てみたい!」と思ってもらえたら嬉しいです。
嘘にまつわるドラマティックなストーリーを楽しんでみてくださいね!
今回はここまで🌸
それではまた!
sunoでした
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